エンタメ 広告含む

水戸黄門のセリフを徹底分析!「この紋所が目に入らぬか!」は時代を超えて愛される決め台詞!

水戸黄門のセリフ「この紋所が目に入らぬか」

時代劇の金字塔「水戸黄門」は、その名セリフで数多くのファンを魅了してきました。

「水戸黄門」の主人公である「黄門様・ご隠居様」は、常陸水戸藩の第2代藩主「徳川光圀/とくがわみつくに(1628.7.11〜1701.1.14)」をモデルにしています。

ドラマになっていたのは、1690年、光圀が江戸幕府によって隠居を認められた後の時代です。

正義感にあふれる黄門様の品があり落ち着いた言葉、助さん・格さんの快活な掛け声、そして悪代官や悪徳商人を前にしたときの「この紋所が目に入らぬか!」の決め台詞は、このドラマを象徴するものとなっています。

ここでは、そんな心に残るセリフたちを振り返り、往年の人気時代劇「水戸黄門」に込められたメッセージを探りましょう。

Ruby
Ruby
まずは、みなさんよくご存じの決め台詞「この紋所が目に入らぬか!」からです。

水戸黄門の決め台詞「この紋所が目に入らぬか!」

印籠は警察手帳?

月曜日のゴールデンタイムのお楽しみ「水戸黄門」の有名なセリフ(クライマックスの決め台詞)は以下の通りです。

助さん(佐々木助三郎)と格さん(渥美格之進)「鎮まれ〜!鎮まれ〜!

格さん(葵の御紋の印籠を悪代官らに見せながら)「この紋所が目に入らぬか!こちらにおわす御方をどなたと心得る?おそれ多くも前(さき)の副将軍・水戸光圀公にあらせられるぞ!

助さん「一同、御老公の御前である、頭(ず)が高い、控えおろう!

毎回言い回しは多少違いますが、ほぼこのような決め台詞となっていました。

印籠(いんろう)は警察手帳ではない

黄門様の印籠は警察手帳のようなものではなく、3段に別れた携帯用の薬入れです。

「印籠」という名前の通り、もともとは印鑑や朱肉を入れて持ち歩くためのものでした。

薬入れのほうは「薬籠」と呼び区別していましたが、江戸時代には両方とも「印籠」と呼ばれるようになっていました。

おしゃれなデザインの物が多く、男性のファッションアイテムでもあり、コレクターも存在していました。

「前(さき)の副将軍」とは、引退した前副将軍や元副将軍という意味ではない

Ruby
Ruby
実際は「副将軍」なる職位は存在しません。

初期の頃のセリフは「前(さき)の中納言・水戸光圀公にあらせられるぞ」でした。

史実では、水戸光圀は元禄3(1690)年10月14日に隠居しています。

黄門さまの愛称「御隠居さま(ごいんきょさま)」「ご老公」は、尊敬を込めて年配の男性、とくに隠居した高位の武士や貴族を指す言葉です。

印籠を掲げるのは渥美格之進(格)さんの仕事とは限らなかった

初期の頃は、ご老公みずからが印籠を見せていたり、助さんと格さん以外のお伴の者が「決め台詞」を言ったり、さまざまなパターンが存在していました。

時代劇「水戸黄門」の基礎知識

  1. TBS系で月曜の夜8時に放映されていた「水戸黄門」は、1969年8月4日から2011年12月19日放送分まで約42年間も続いた稀に見る長寿ドラマでした。
  2. 全1227回の平均視聴率は22.2%、最高視聴率は1979年2月5日に記録した43.7%でした。
  3. 時代劇の「水戸黄門」は常陸水戸藩の第2代藩主「徳川 光圀(1628.7.11〜1701.1.14)」をモデルにしています。
  4. 史実の徳川光圀は、ドラマのように世直し行脚をしていたという事実はなさそうですが、黄門様同様、名君と評されていて、亡くなった時には「天が下 二つの宝つきはてぬ 佐渡の金山 水戸の黄門」という死を悼む狂歌が流行ったほど人気でした。
  5. 史実の徳川光圀は、『大日本史』を編さんするために家臣の佐々介三郎たちを各地へ派遣していました。佐々と同じ家臣の安積覚兵衛の2人が、ドラマの助さん(佐々木助三郎)と格さん(渥美格之進)のモデルとなっています。
  6. ドラマの黄門さまは、旅先で「越後の縮緬(ちりめん)問屋の隠居・光右衛門(みつえもん)」と称して素性を隠していました。※シリーズによって多少異なります。
  7. 黄門様の旅のお伴は、助さん、格さんのほか、(シリーズによって多少異なりますが)元義賊の風車の弥七、弥七の妻・霞のお新、くノ一のかげろうお銀、忍者の柘植の飛猿、町人のうっかり八兵衛、助さんの妻・佐々木志乃ら。助さんと格さん以外は完全に架空の人物です。

水戸黄門の定番のストーリー展開

忍者の内偵

時代劇『水戸黄門』の定番のストーリーは、以下のパターンに沿って進行することがほとんどです。

主要キャストのそっくりさん(一人二役)や偽光圀も頻繁に登場していました。

  1. 旅の始まり: 水戸光圀(水戸黄門)が家臣の佐々木助三郎(助さん)、渥美格之進(格さん)らと共に諸国漫遊の旅に出る。
  2. 村人たちとの出会い: 旅の途中で悪漢に絡まれた村人や悪代官の悪政、不正に苦しむ人々と出会う。
  3. 問題の発覚: 村人たちの話から、その地域で起きている悪政や不正を知る。
  4. 世直しの決意: 光圀とその一行は、困っている人々を助けるために行動を起こすことを決める。
  5. 内偵・隠密:くのいちや忍者のお銀や弥七たちが悪代官たちに近づき悪事を探る。(お銀は芸者に扮してお色気で悪代官に近づく。由美かおるさんの入浴シーンが定番のセリフ以上に人気)
  6. 悪代官や商人との対決:悪代官たちとの間でさまざまな駆け引きやが殺陣(たて)が行われる。
  7. 印籠を見せる: 最終的には、格さんが光圀の印籠を掲げ「この紋所が目に入らぬか!」と宣言し、悪者たちを屈服させる。
  8. 解決と出発: 問題が解決し、感謝する人々を残して光圀一行は次の地へと旅立つ。

このような流れで、毎回さまざまな地方の問題を解決しながら、正義と人情の勧善懲悪物語が展開されます。

TBS系ゴールデンタイムの「水戸黄門」歴代水戸光圀役の俳優たち

①東野英治郎(1969年~83年4月)から始まり、②西村晃(83年10月~92年11月)、③佐野浅夫(93年5月~2000年11月)、④石坂浩二(01年4月~02年7月)、そして⑤里見浩太朗(02年10月~最終回)と、著名な人気俳優たちが水戸光圀役を演じてきました。

助さんこと佐々木助三郎役は、杉良太郎、里見浩太朗(黄門様も歴任)、あおい輝彦、岸本祐二、原田龍二、東幹久。

格さんこと渥美格之進役は、横内正、大和田伸也、伊吹吾郎、山田純大(杉良太郎の長男)、合田雅吏、的場浩司。

風車の弥七は中谷 一郎、内藤剛志、津田 寛治、かげろうお銀は由美かおる、うっかり八兵衛は高橋元太郎が演じました。

Ruby
Ruby
みなさんはどの配役がお好きですか?
ひろしさん
ひろしさん
由美かおるさんで~す!

セリフが生み出す「水戸黄門」の世界を徹底分析

「水戸黄門」では、妙に安定感のある特徴的なセリフが大人気でした。

見てのとおり、お節介焼きのただの旅の隠居ですよ」という謙虚な自己紹介から、「この紋所が目に入らぬか!」の決め台詞まで、セリフ一つ一つがドラマの世界観を築き上げ、視聴者を正義の旅へと誘います。

旅先での村人たちとの出会い、悪代官の悪事の暴露、そして「助さん、格さん、少し懲らしめてやりなさい!」というセリフに続くアクションシーンは、番組のクライマックスでした。

①「見てのとおり、お節介焼きのただの旅の隠居ですよ(田舎じじいですよ)」

これは『水戸黄門』において、主人公である水戸光圀が旅先で出会った村人から素性を尋ねられた際に用いる定番のセリフ。

  1. 素性の隠蔽: 光圀公は実際には水戸藩の第二代藩主であり、非常に高い社会的地位にいる人物ですが、旅をする際にはその事実を隠し、ただの旅の隠居、すなわち普通の老人として振る舞います。これにより、彼は人々の真の姿を見ることができ、また、悪人たちを油断させることができます。
  2. 親しみやすさの演出: このセリフは、光圀公が自らを謙遜して語ることで、村人たちに親しみやすい印象を与えます。また、お節介焼きと自称することで、彼の人情味や正義感を強調し、視聴者にも好感を持たせます。
  3. ストーリー展開の布石: 光圀公が自分の真の身分を隠しているという事実は、物語のクライマックスである「印籠シーン」への伏線となります。最終的には、彼の身分が明かされ、悪人たちはその権威に屈することになります。
  4. 時代劇の定番: このようなセリフは、時代劇における定番のパターンであり、主人公が素性を隠しているという設定は『水戸黄門』に限らず多くの作品で見られます。それは、視聴者にとって予測可能で安心感を与えると同時に、田舎の高齢者を装っていようが、必ず最後は正義が勝つというメッセージを強く印象づける効果があります。

②「仕方ありませんな、助さん、格さん、少し懲らしめてやりなさい!」

これは物語のクライマックスを象徴する重要な台詞です。

  1. 権威の行使: 水戸光圀がこのセリフを発することで、彼の権威と決断力が強調されます。彼は悪代官やその一味が改心することを望んでいましたが、最後の悪あがきを見て、やむを得ず力の行使を命じることになります。
  2. 正義の執行: 助さんと格さんは、光圀公の正義を体現する役割を担っていて、このセリフは彼らが悪に対して直接的な行動を起こす合図となります。彼らの卓越した武術の腕前を披露する場でもあり、正義が悪を打ち負かす象徴的な瞬間です。
  3. ドラマの展開: このセリフが登場することも視聴者にとってはお馴染みの展開です。このセリフが出ると、視聴者はすぐに印籠シーンが近いことを予感し、物語のクライマックスを期待するようになります。
  4. 非暴力の原則: 助さんと格さんは、悪人たちを「少し懲らしめろ」と言われても、決して命を奪うようなことはせず、必要最小限の力で対処します。これは、『水戸黄門』が基本的に非暴力の原則を守る勧善懲悪のドラマであることを示しています。
  5. 緊張の解放: このセリフは、物語の緊張を一気に解放する役割も果たします。悪代官たちの最後の抵抗が終わり、正義が勝利することが確定的になるため、視聴者は安堵感を得ることができます。

③「助さん!格さん!もういいでしょう!」

これは殺陣(たて)のシーンを締めくくる重要な台詞です。このセリフには以下のような意味が込められています。

  1. 闘いの終結: このセリフは、助さんと格さんによる悪人たちへの懲罰がもう十分であるとし、これ以上の暴力は不要であるという黄門様の判断を示しています。これにより、正義の執行者としての彼らの行動にも限度があることが示されます。
  2. 慈悲の心: 黄門様は、悪人たちに対しても命を奪うような過度な暴力を避けることで、慈悲の心を持っていることを表しています。これは、敵であっても無用な傷害は避けるべきという倫理観を反映しています。
  3. 物語の流れ: このセリフは、毎回のエピソードでの定番の流れの一部であり、助さんと格さんが悪人たちを倒した後、物語が次の段階へと進む合図となります。つまり、これから印籠を出して悪人たちを正式に制裁するシーンへと移行することを意味しています。
  4. 視聴者への安心感: 「もういいでしょう!」のセリフは、視聴者に対しても、これ以上の暴力シーンはないことを示し安心させる役割を果たします。これにより、ドラマは次の平和な解決へと向かいます。
  5. 正義の確立: 助さんと格さんが悪人たちを懲らしめた後、黄門様がこのセリフを発することで、正義が完遂されたことを示します。これは、正義が最終的には力ではなく、法と秩序によって守られるべきであるというメッセージを伝えています。

④「このものたちの悪事の数々、この光圀しかと見届けたぞ」

これは物語のクライマックスにおいて重要な役割を果たします。

  1. 悪事の暴露: このセリフは、悪代官や悪徳商人の行いが黄門様によって完全に把握されていることを示しています。黄門様が「直接見届けた」という表現は、彼の正義感と権威を強調し、彼の言葉の重みを増しています。
  2. 証拠の提示: 黄門様が具体的な悪事を列挙することで、悪人たちが否定できない証拠を提示しています。これにより、悪人たちが自らの罪を認めるしかなくなる状況を作り出しています。
  3. 正義の実行: 「どうじゃ?これでもまだシラを切るつもりか?」という問いかけは、悪人たちに最後の自白の機会を与えると同時に、彼らが罪を認めなければ、さらなる措置が取られることを暗示しています。これは、正義が実行されることを視聴者に約束するものです。
  4. 悪人への圧力: このセリフは、悪人たちに対する圧力を加えるものであり、彼らがこれ以上抵抗することが無意味であることを理解させます。黄門様の権威と決断力が、悪人たちを屈服させる力となっています。
  5. 視聴者への満足感: このセリフは、視聴者に対して、悪人たちが最終的には正義の前に敗れるという満足感を提供します。ドラマの勧善懲悪のテーマが強調され、視聴者に清々しい気持ちを与えるのです。

⑤「追って藩主より厳しい沙汰があるであろう、覚悟いたせ」

このセリフは悪事を働いた者たちに対する最終警告として機能します。

  1. 未来の処罰の予告: このセリフは、悪人たちがただちに黄門様によって裁かれるだけでなく、彼らの行いが藩主の耳にも届き、さらに厳しい処罰が下されることを予告しています。
  2. 権威の強調: 藩主という存在は、当時の社会において絶大な権力を持っていました。そのため、藩主からの「沙汰」(命令や裁定)は、最も重い処罰を意味することが多く、このセリフは悪人たちに対する恐怖を煽ります。
  3. 正義の実現: このセリフは、悪人たちが一時的には逃れることができても、最終的には正義によって裁かれるという『水戸黄門』の基本的なテーマを強調しています。視聴者に対して、どんなに強大な悪も最終的には正義の前に屈するというメッセージを伝えます。
  4. 視聴者への安心感の提供: このセリフは、悪人たちがその場でどのような反応を示そうとも、最終的には適切な処罰を受けることを保証することで、視聴者に安心感を提供します。
  5. 物語の締めくくり: 物語のクライマックスにおいて、このセリフは悪人たちに対する物語の結末を示唆し、視聴者に対してストーリーが完結したことを伝える役割を果たします。

⑥「それでは、助さん、格さん参りましょうか!」

水戸黄門のラストシーン

『水戸黄門』のエンディングに向けてのセリフ「それでは、助さん、格さん参りましょうか!」は、物語の終わりを告げる重要なフレーズです。

  1. 物語の完結: このセリフは、そのエピソードでの事件が解決し、主人公たちが新たな旅へと出発する準備ができたことを示しています。
  2. 次の冒険への期待: 水戸黄門とそのお供たちが次の目的地へと旅立つことで、視聴者は新しいエピソードへの期待を抱くことができます。
  3. 旅の継続: このセリフは、主人公たちの旅が終わることなくまだまだ続いていくことを示し、彼らの冒険が永遠に続くかのようなワクワク感を与えます。
  4. 勧善懲悪の継続: 水戸黄門の旅は、困っている人々を助け、悪を懲らしめるという使命を持っています。このセリフは、その正義の旅が次の地へと移ることを宣言しています。
  5. 視聴者との別れ: このセリフは、視聴者に対してその週の物語が終わり、また次週に会うまでの一時的な別れを告げるメッセージです。
  6. 安定したフォーマットの維持: 毎回同じパターンで終わることで、視聴者に安心感と親しみやすさを提供し、番組への愛着を深めます。

セリフに込められた時代精神とメッセージ

「水戸黄門」のセリフは、元禄時代の社会状況を反映しています。

黄門様の「この紋所が目に入らぬか!」は、身分制度の厳格さを示す一方で、権力者にも道徳が求められるというメッセージを込めています。

このセリフは、現代においても公正と正義の重要性を訴えかけます。

「水戸黄門」の物語、そしてセリフは、時代を超えた武士道の精神を伝えます。

黄門様の正義感と慈悲深さ、助さんと格さんの忠義心は、現代社会においても尊重されるべき価値観を示しています。

ドラマは、変わりゆく世の中においても変わらぬ道徳の大切さを視聴者に思い起こさせる作品です。

水戸黄門のセリフから伝説の時代劇の魅力を解析しました!

42年間の長寿番組「水戸黄門」の高視聴率は、これら印象的なセリフが大きく貢献しています。

とくに「この紋所が目に入らぬか!」は、正義の勝利を告げる決め台詞として、多くのファンに愛され続けました。

そして「水戸黄門」のセリフは、その繰り返されるパターンが視聴者に安心感を与えます。

悪を討ち、善を助ける明快なメッセージは、どの世代にも親しみやすく、家族そろって楽しめる要素となっています。

「水戸黄門」のセリフは、ただの台詞にとどまらず、時代を超えて視聴者に勇気と正義の心を伝えてきました。

これらの言葉は、日本のテレビ史において、勧善懲悪の精神を色濃く反映し、多くの人々に愛され続ける理由となっています。