「神足駅(こうたりえき)」。
とくにJR京都線の沿線に住む一定の年齢以上の方には懐かしい響きでしょう。
この駅は現在「JR長岡京駅」として知られていますが、神足という名前には深い歴史と意味が込められています。
この記事では、JR神足駅からJR長岡京駅への名称変更の理由や、その歴史、さらには「神足」という名前の由来や語源について詳しく解説します。
また、駅周辺には「神足神社」や「長岡天満宮」などの観光スポットもあります。地元の人だけでなく、観光客や歴史好きにも必見の情報をお届けします。
この記事を読めば、懐かしい「JR神足駅」や現在の「JR長岡京駅」に対する理解が深まること間違いなしです。ぜひ最後までお読みくださいね。
JR神足駅からJR長岡京駅への名称変更の理由
1877 年2月5日に国鉄京都〜神戸間が全通しましたが、駅は京都・向日町・山崎・高槻・茨木・吹田・大阪・尼崎・西宮・住吉・三ノ宮・神戸の12駅のみでした。
このため神足付近の住民は向日町か山崎まで4km強の距離を歩く必要がありました。
そこで地元では駅設置の運動が行われ、ついに1931 年8月に国鉄神足駅が誕生しました。
その後、神足村→長岡町→長岡京市と名称が変わったために、1995年9月に現駅名である長岡京駅に名称が変更されました。
神足駅開設当時は、駅前の一部をのぞいてほとんど竹やぶでしたが、駅設置後は会社が続々進出し発展しました。
市民からも京都府長岡京市の表玄関としてふさわしい駅名への改称についての要望が増え、「JR長岡京駅」が誕生しましたという流れです。(参照元:歴史の一部になった鉄道)
JR神足駅の歴史
1931(昭和6)年8月1日:日本国有鉄道東海道本線の向日町駅〜山崎駅間に神足駅(こうたりえき)として誕生。
1972(昭和47)年10月1日:市政施行により、所在地が長岡京市となる。
1985(昭和60)年3月14日:日中時間帯の快速列車が停車する。
1987(昭和62)年4月1日:国鉄民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅になる。
1995(平成7)年9月1日:長岡京駅に改称される。全日快速が停車する。
神足(こうたり)という地名の由来について
神足神社に由来する説
神足の地名は、斉衡元(854)年に官社(律令制で、神祇官(じんぎかん)の神名帳に記載された神社)に列した神足神社に由来するとされています。
古くは神社を「こうたり」と周辺の地名を「こうだに」と読み分けていたが、現在は「こうたり」に統一されています。
古い発音の変化による説
昔、神を「かむ」と発音していたことから「神至り(かむいたり)」と言われていたところが、「神足(こうたり)」に変わったとされています。
桓武天皇の夢に基づく説
桓武天皇が奈良から長岡京に遷都した時に、夢の中で星の神が田村の地に降り立ち、宮中を襲う魔物を防いでいる様子を見たというエピソードがあります。
天皇の家来が田村の地へ向かい、神の姿を確認するも、まばゆい姿のため足しか見えなかったとされています。
これがきっかけで田村の地を「神足」(こうたり)と呼ぶようになったと言われています。
以上のように、神足という地名の語源や由来については複数の説があり、それぞれ異なる背景や歴史的なエピソードに基づいています。
長岡京という地名の由来について
歴史的背景
「長岡京」は、昔この長岡の地に都が置かれていたことに由来しています 。
長岡京は、延暦3年(784年)11月11日に、桓武天皇の命によって奈良の平城京から遷都された都です 。
長岡京は、山背国乙訓郡長岡村の地が選ばれ、この地名が付けられました
遷都の理由
長岡京への遷都は、仏教勢力からの離脱、皇統の変更(天武系から天智系へ)、そして近くに淀川が流れていることから交通の利便性が主な理由とされています 。
その他の情報
長岡京市は、豊かな水と緑に恵まれ、交通の利便性により発展してきた地域です。
特に784年に「長岡京」という当時の日本の都が置かれていたことで、全国的に知られています 。
これらの情報から、長岡京という地名は地理的な特徴と歴史的な背景から来ていることがわかります。
神足の地名の由来になったとされる「神足神社」について
神足神社の基本情報
- 名前:神足神社(こうたりじんじゃ)
- 創建年:伝・784年(延暦3年)
- 創始者:伝・第50代・桓武天皇
- 祭神:天神立命(あめのかみたちのみこと)、天武天皇の第六皇子の舎人親皇(とねりしんのう)という説もあり
- ご利益:地域安全、子孫繁栄、強脚や足の怪我予防
- アクセス:JR東海道本線「長岡京」駅下車、東口より徒歩約7分
- ウェブサイト:神足神社
神足神社の由来と歴史
- 桓武天皇が長岡京に都を移した際、星の神さまがこの地に降り立ち、悪霊を倒したという伝説があります。神さまは光り輝き足しか見えなかったそうです。
- 神足家の祖、神足光丸(天武天皇のひ孫)が創建に尽力したとも伝わっています。こちらの説では、創建は796年(延暦15年)で、桓武天皇を祀ったことに始まるとされています。
神足神社の現代での信仰
- スポーツ選手などから信仰を集めています。
- 京都の都大路を舞台に開催される「都道府県対抗全国女子駅伝」の京都チームやサッカーJリーグの京都サンガの選手たちが御守りを身につけています。
長岡天満宮まで足を伸ばしてみよう!
長岡京駅界隈で一番有名な観光スポットは「長岡天満宮」です。
長岡天満宮は、京都府長岡京市天神2丁目15-13に位置する神社で、菅原道真公を祀っています。以下の点が特徴的です。
由来と歴史
菅原道真公が太宰府に左遷される際に、この地を訪れ、名残を惜しんだと伝えられています。
また、菅原道真公は、この地でしばしば在原業平と共に遊び、詩歌や管弦を楽しんでいたとされています
境内と景観
境内には八条ヶ池があり、その中央を通る参道の両側には、樹齢約170年と言われるキリシマツツジのトンネルがあり非常に人気です 。
また、桜や紅葉の季節には、境内がライトアップされ、美しい景観を提供しています。
祭りと行事
長岡天満宮では、新年に学問・書道の神様に「書初」を奉納する行事、2月3日に節分祭、3月中旬に梅花祭が行われ、名月祭では神楽や琵琶の演奏が提供されます 。
アクセス
最寄りの駅は阪急「長岡天神駅」で、駅からは徒歩約10分の距離にあります。また、JR「長岡京駅」からは徒歩約20分、または阪急バスで「開田」または「長岡天神前」下車、徒歩約5分です。
このように、長岡天満宮は菅原道真公を祀る歴史的な神社で、美しい境内と多くの行事で知られています。また、アクセスも良好で、周辺には他にも見所が多いため、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。
神足駅の歴史と魅力、一つ一つを知る旅の終わりに
この記事を通して、「神足駅」または「JR長岡京駅」と呼ばれるこの場所の多面的な魅力について深く探りました。
名称変更の背後には、地域の歴史や文化が色濃く反映されています。
また、「神足」という名前自体にも、神話や伝説、地形から来る複数の説があり、その一つ一つがこの地域の豊かな歴史を物語っています。
さらに、神足神社も紹介しましたが、こちらは地元の人々はもちろん、観光客にも楽しめる多彩な場所です。