家の近くでよく見かける可愛らしいスズメ(学名 Passer montanus)は、私たちにとって身近な存在ですよね。
しかし、スズメによく似た野鳥たちが、実はたくさんいるのをご存知でしょうか?
この記事では、スズメに似た外見を持つ「スズメ目(もく)の野鳥」ベスト10を紹介します。
選んだ10種は、よく見かけるものから絶滅危惧種までとさまざま。
とくに繁殖期以外(冬季)の雄と雌はスズメと見間違えるほど似ていることも結構多いのです。
それでは、私の独断と偏見によるランキング、1位から10位までを見ていきましょう。
- 日本で一般的に『スズメ』といえばこの小鳥!特徴をしっかり記憶してください!
- スズメに似た鳥第1位!『ニュウナイスズメ』雄は背中の茶色が鮮やか!
- スズメに似た鳥第2位!『イエスズメ』生活力あり!
- スズメに似た鳥第3位!『ホオジロ』ユニークな鳴き声が人気!羽を広げると大きい!
- スズメに似た鳥第4位!『シロハラホオジロ』日本では彼らの旅の途中が見られるかも?
- スズメに似た鳥第5位!『セッカ』一夫多妻で巣を20個も作る
- スズメに似た鳥第6位!『ヤブサメ』とにかく可愛くて小さい
- スズメに似た鳥第7位!『コジュリン』夏場の雄は頭が黒い
- スズメに似た鳥第8位!『ベニマシコ』華やかな赤い野鳥
- スズメに似た鳥第9位!『アオジ』なんとなく黄緑だけどそっくり!
- スズメに似た鳥第10位!『クロジ』日本固有?の黒いスズメ?
- スズメに似た鳥もよく見ればみんな個性的!
日本で一般的に『スズメ』といえばこの小鳥!特徴をしっかり記憶してください!
スズメに似た鳥第1位!『ニュウナイスズメ』雄は背中の茶色が鮮やか!
「ニュウナイスズメ(入内雀)」も、スズメ科スズメ属に分類される鳥類です。別名は黄雀(コウジャク/きすずめ)。
スズメとかなり似ていますが、頬に黒い模様がなく、雄はスズメよりも明るい栗色の頭と背を持ちます。雌は薄茶色で、黄土色の眉斑があります。
ニュウナイスズメという不思議な名前の由来は諸説ありますが、一説には、陸奥に左遷され失意のまま現地で亡くなった藤原実方(ふじわらのさねかた)の生まれ変わりというユニークな説があります。
ニュウナイスズメはその昔、実る前のお米を食い荒らす「害獣」扱いだったので、左遷された藤原実方が雀に転生して仕返しをしていると信じられていたようです。
東アジアから中央アジアにかけて広く分布し、日本でも全国で見られますが、繁殖は北海道や本州の山地、越冬は関東以南の森林で行います。
スズメとは違い林や森を好み、人家に近づくことは少ないですが、少数のニュウナイスズメがスズメの群れに混じっていることもあるそうです。
分布:おもに東アジアの特定の地域に生息しており、日本では全国の森林に生息しています。
外見:体長は約14cmで、スズメよりも少しだけ小さめ。オスは頭部が鮮やかな赤茶、背中が焦茶をしており、メスは全体的に褐色がかった地味な色合いです。
生態:森林や草原など、自然豊かな環境を好む傾向にあります。私たちが普段、街中で見かけることはあまりありません。
鳴き声:スズメと同じような「チュンチュン」から「チュチュチュチュ、チィー」と独特の鳴き声のときもあります。
スズメに似た鳥第2位!『イエスズメ』生活力あり!
イエスズメ(家雀)はスズメ科の鳥で、ヨーロッパやアフリカなどに自然分布しています。
アメリカには19世紀半ばに、イギリス人が「害虫駆除」の目的で持ち込みました。
雄は頭のてっぺんが灰色で喉が黒く、雌や若鳥は淡い茶褐色で目上に眉のような白っぽい模様があります。スズメより若干大きめのサイズです。
人間との関わりが深く、世界中に移入されている最も分布域の広い鳥の一つです。
雑食性で、種子や果実、昆虫や生ごみなど、とにかくなんでも食べます。鳴き声はスズメに似ています。
スズメと競合する地域では、スズメが森林に済み、イエスズメが人家の近くに住んでいます。
何でも食べることから、英語では「feathered mouse(羽ねずみ)」と呼ばれ、ハワイではファストフード店のゴミ箱を頻繁に漁ることから「Hamburger sparrow(ハンバーガースズメ)」とも呼ばれています。
日本では、北海道の離島などで、極まれに「迷い鳥」が発見される程度で、ほとんど見られません。
そして、イエスズメはかなり気が強く、自分が巣を作りたい場所にすでに他の鳥の巣があれば、ひな鳥を殺すこともあるそうです。
外見: 体長は約14~16cmで、スズメより少し大きめ。オスは頭部が灰色で、頬は黒く、胸には黒い模様があります。メスは全体的に褐色がかった羽毛で、目立った模様はありません。
生息地: もともとはヨーロッパ、北アフリカ、アジアの一部が原産ですが、おもに「害虫駆除」の目的で世界中に広がり、現在ではほぼ世界各地で見ることができます。ただし、日本では、極まれに迷い鳥が現れる程度です。
習性: 人家の近くに生息することが多く、群れを作って生活します。穀物や種子、昆虫、人間の食べ残しなど何でも食べる雑食性です。
鳴き声: 「チュンチュン」というスズメに似た鳴き声を発し、街中はもちろん、ハワイなどの観光地でもその声を聞くことができます。
スズメに似た鳥第3位!『ホオジロ』ユニークな鳴き声が人気!羽を広げると大きい!
「ホオジロ」は、スズメ目ホオジロ科ホオジロ属に分類される鳥類です。
おもに東アジアに生息する鳥で、(冬場の北海道以外の)日本各地で見られます。
体長は約17センチで、重さは23グラムほどですが、羽根を広げると24センチほどになり、スズメより大きく見えます。
頬の部分が白く目立っていることから「頬白」と呼ばれています。
また、喉や眉のあたりも白く、目の周りと頬の下が黒いため、顔は白黒のツートンカラーに見えます。
繁殖期の雄は白黒のコントラストがますますくっきりと目立ちます。
くちばしは短くて、太い円錐形なのも大きな特徴。
ホオジロは、昆虫類や植物の種子を食べる雑食性の鳥類で、秋から冬にかけては植物の種子を中心に食べます。
繁殖期には縄張りを持ち、巣作りはメスが行い、一度に産む卵の数は3個から5個と言われています。
ホオジロは、日本で比較的出会いやすい留鳥(季節で移動をしない鳥)です。※冬場の北海道以外
春になると雄がさえずりますが、その節回しはユニークで「ピッピチュ・ピーチュー・ピリチュリチュー」と聞こえるとされています。
この小鳥の鳴き声は古くから「一筆啓上仕候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)「源平つつじ白つつじ」と聞こえると言われていますが、どうでしょうか?
外見: オスは繁殖期の春になると顔が黒くなり、その黒い部分の両側に白い「ほお」のような模様がくっきりと現れます。メスや非繁殖期のオスは、地味な茶色がかった羽色をしています。
サイズ: 体長は17cm前後で、スズメより少しだけ大きめですが、羽が長く、飛ぶとさらに大きく見えます。
生息地: 日本を含む東アジアの広い範囲に分布し、日本では一般的に見られるポピュラーな野鳥の一種です。
習性 草原や農耕地、公園などに生息し、地上や低い草の中を歩き回りながら種子や昆虫を食べます。
鳴き声: 「チュピチュピ」という独特の鳴き声を発し、繁殖期には「ピッピチュ・ピーチュー・ピリチュリチュー(一筆啓上仕候)」という美しいさえずりを聞かせてくれます。
スズメに似た鳥第4位!『シロハラホオジロ』日本では彼らの旅の途中が見られるかも?
「シロハラホオジロ」は、スズメ目ホオジロ科の渡り鳥で全長は約15cmです。
頭部に白黒の縦筋があり、喉が黒いのが特徴です。
赤褐色の体と白っぽい腹部を持ち、冬は藪に覆われた森で過ごします。
ロシア沿海のアムール、ウスリー地方から中国北東部で繁殖し、冬季は中国南東部へと渡ります。
日本では数少ない旅鳥として春に日本海側の島しょ部に渡来することもありますが、記録されている数は少ないです。
「チッチッ」と鳴きますが、渡りの時期はあまり鳴かないとのこと。
外見: オスは頭部が黒く、その黒い部分の中に白い模様があります。お腹は白っぽく、背中は茶色がかっています。メスは全体的により地味な色合いで、頭部の模様も控えめです。オスは冬季、メスに似た姿になりますが、喉元が黒褐色なので識別可能です。
サイズ: 体長は約15cmで、スズメより少しだけ大きめです。
生息地: 渡り鳥で、日本には春の時期に日本海側の島しょ部で見ることができます。
習性: 主に森林の林縁や開けた場所に生息し、地上や低い枝から種子や昆虫を探して食べます。
鳴き声: 「チッチッ」と可愛らしいさえずりを聞かせてくれますが、渡りの時期は鳴かないようです。