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アイヌ人の耳たぶの特徴を知っていますか?その驚くべき事実とは!ファッションもご紹介!

アイヌ人の耳たぶとは?

北海道や樺太、千島列島出身のアイヌ民族。この神秘的な民族は、その耳たぶの形状にも典型的な特徴があります。

古人骨の研究により、95%以上のアイヌ人の耳たぶは大きめで発達しているという結果が出ています。いわゆる「福耳」ですね。

Ruby
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しかし現代に生きるアイヌの人たちは、日本各地に移住し、この特徴は薄れているかもしれません。

この記事では、そんなアイヌ人の耳たぶの特徴を切り口に、アイヌ文化の多様性と美を探ります。アイヌ人の外見の特徴から始め、伝統的なアクセサリー、ファッションまで幅広く取り上げます。

興味を持ったら、ぜひ最後までお読みください。

 

アイヌ人の耳たぶの特徴は福耳(分離型/遊離型)

アイヌ人の耳たぶの特徴(山口敏先生の研究)

人類学者の山口敏先生(1931-2020)の著書(先史日本列島人に関する二三の骨学的考察/1996年)によると、アイヌ人の耳たぶは一般的に発達しており、その形状は遊離型(=分離型)が多いそうです。

ヌイ遊離型(=分離型)とは、耳たぶが完全にはくっついていない形状のことを指します。
アイヌ人は「耳垂(耳たぶ)が発達し、癒着型は少なく、遊離型がほとんどである」とされ、遊離型が95%だということです。※癒着型は密着型、遊離型は分離型ともよびます。

北海道の縄文時代人が近世アイヌに移行したこと, 日本列島の縄文時代人は旧石器時代人的な形態を長く保持していたが, 弥生時代以後, モンゴロイドの渡来の影響によって大きく変容し, 縄文人本来の特徴の多くはアイヌに受け継がれたこと, 縄文•アイヌ集団はオーストラロイド, モンゴロイド, コーカソイドなどの大人種群のどれにも属さない独立した人種であることについて, これまでの考察の経過を説明した。(先史日本列島人に関する二三の骨学的考察・抄録

Ruby
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山口先生の研究によると、アイヌ人の特徴は、縄文人本来の特徴を色濃く受け継いでいるようですね。

そして、アイヌ人にも縄文人にも「耳飾りを付ける文化」が根付いていました。

アイヌ人の耳たぶの特徴は奄美・琉球人にも!

地域ごとの耳たぶの形の分布

医療人類学者の「欠田早苗(かんださなえ)先生(1925-2008)が著した「日本人の筋肉系と動脈系」でも、分離型の耳たぶを持つアイヌ人は96.2%と発表されています。

Ruby
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奄美諸島(琉球)は北海道全体よりも分離型の耳たぶを持つ人の割合が多かったことには驚きです。

もちろん、異動の激しい現代人の比率はもっと平均化していると思われます。

分離型の耳たぶは福耳!日本では縁起がいいとされる!

日本の人相占いや伝承では、福耳は縁起が良いとされています。特に、大きな耳たぶは富や成功、健康に恵まれるといわれています。

福耳は、仏像や神像、歴史的な偉人の像などでもよく見られますよね。これは、その人物が高い知恵や徳を持っていることの象徴とされています。

 

アイヌ人の耳たぶ以外の身体的な特徴(古人骨の研究より)

山口敏先生の著書(先史日本列島人に関する二三の骨学的考察)には、耳たぶ以外にアイヌ人の身体的な特徴が記録されています。

①皮膚の色が、黄色みの乏しい明褐色である 黄色があまり混ざっていない明るい褐色の肌
②新生児の仙骨部の皮膚の色素斑 (はん)(児斑)がまれにしかみられない(11%) 赤ちゃんのお尻によくある蒙古斑はあまりない
③体毛が比較的太く、かつ長い 全体的に毛深い印象
④頭毛が波状を呈し、断面形が扁平 (へんぺい)である くせ毛である
⑤脳頭蓋 (とうがい)の前後径が大きく、頭長幅示数が長頭に近い中頭型(76.6%)である 頭の形は前後に長く、横幅はそれほど広くない。
⑥顔高が低く、頬骨弓 (きょうこつきゅう)幅が広い 広い頬骨と短い顔。全体的に四角いまたは幅広い印象を与える
⑦眉稜 (びりょう)、鼻骨の隆起が強く、目はくぼみ、上瞼 (まぶた)は二重 (ふたえ)瞼が多く、内眼角ひだ(蒙古ひだ)は少ない(5%) 眉毛の上と鼻の骨が高く、目はくぼんでいる。二重まぶたが多い。いわゆる「彫りの深い」顔。蒙古ひだのある人はかなり少ない。
⑧耳垂が発達し、癒着型は少なく、遊離型がほとんどである(95%) 耳たぶが発達し、触ると前後に揺れるタイプの耳が大半
⑨耳垢 (じこう)は湿型が非常に多い(87%) 耳あかに湿り気のある人が大半
⑩歯の咬合 (こうごう)型式は鉗子 (かんし)状が多い 噛み合わせは、上の歯と下の歯が同じ位置でかみ合わさる。これは縄文人と同じ特徴。現代人の多くは、上の歯がやや前に出ている。
⑪身長は、1890年代の小金井良精 (よしきよ)による調査では男性平均156.6センチメートル、1950年代の小浜基次 (こはまもとつぐ)(1904―1970)らの調査では同じく160.1センチメートルと報告されている 身長は本土の日本人とそんなに変わらない。ただし、腕と脚が長く胴が比較的短い
⑫手の指紋には渦状紋が比較的少なく蹄 (てい)状紋が多い 手の指紋は渦巻よりも、蹄(てい)が多い

アイヌ人のファッション

アイヌのアクセサリー

アイヌ人のアクセサリーは美と伝統の融合

アイヌ文化は、その独自の美学と精緻な手仕事で知られています。特にアクセサリーは、アイヌ人のアイデンティティと文化を象徴する重要な要素です。

タマサイ(Tamasay)

タマサイは、アイヌ女性が特に好んで身につけるビーズのネックレスです。多色のビーズを用いて繊細なデザインが施されており、美しさと同時に女性の地位や財産を示すものとされています。レㇰトゥンペは現代でいうチョーカー型の首飾りです。中央部に木などがついたペンダントをシトキとよびます。

ニンカリ(Ninkari)

ニンカリは、金属製の耳飾り(ピアス)で、女性だけではなく男性も子どももつけます。これは美しさを高めるためだけでなく、邪悪な霊から身を守るお守りとしても用いられます。

マキリ(Makiri)

マキリは、鞘に装飾品がついた小刀。アイヌの男性がよく身につけています。これは実用性と美を兼ね備えたアイテム。

バングルとブレスレット

アイヌ文化では、ビーズのブレスレットや木彫りのバングルもよく用いられます。バングルは木や骨、革で作られ、独特の模様やデザインが施されています。

アイヌのアクセサリーは、その美しさと独自性、そして文化的な意味合いを持つ重要なアイテムです。これらを通じて、アイヌ文化の深さと多様性を感じることができるでしょう。

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アイヌ人の服装は自然と共生する美の形

アイヌ人のファッション

アイヌ文化は、自然との調和を重視しています。その哲学は、彼らの服装にも反映されています。アイヌ人の服装は、素材からデザイン、装飾まで、独自の美学と機能性が絶妙に組み合わさっています

アットゥシ(Attus)

アットゥシは、木の内皮の繊維を織ったアイヌの織物で、これでアイヌの伝統的な衣服を作ります。この素材は軽くて丈夫、そして通気性があります。アットゥシは、男女ともに着用され、季節や用途に応じて様々な形状があります。刺繍の入った服はチヂリといいます。

ユクウル(yuk-ur)

ユクウルは、冬季に着用される厚手の衣服です。主に動物の毛皮で作られ、寒冷な気候に適しています。この衣服は、特に狩猟や釣りなどのアウトドア活動に用いられます。

マンタリ(mantari)

ケムシは、女性が特に好んで着用するアイヌのエプロンです。美しい刺繍やビーズが施されており、女性の美と繊細さを象徴しています。ただし、エプロンの用途と同じではなく、着物の前が開けた時に、下着を隠す用途で使います。

チェㇷ゚ケㇼ(cepker)

シンクルは、アイヌの靴で、主に鮭の皮で作られます。これは非常に軽くて丈夫で歩きやすい靴です。特に狩猟や釣りなどの活動に適しています。シトゥケリはヤマブドウのツルで編んだ靴。雪のない時期に使います。

装飾と模様

アイヌの衣服には、アップリケや刺繍で独特の装飾や模様が施されています。これらは、神話や自然界、動物などを象徴しており、アイヌ文化の深い哲学と信仰が表れています。

アイヌ人の服装は、その機能性と美しさ、そして文化的な背景を持つ魅力的なアイテムです。これらの衣服を通じて、アイヌ人が大切にしている自然との共生や文化の多様性を感じることができます。

アイヌ人の入れ墨(いれずみ)・タトゥーは美と信仰の象徴

アイヌ人の入れ墨

アイヌ文化において、入れ墨は非常に重要な役割を果たしています。この独特な美術形式は、美しさだけでなく、信仰や伝統にも深く根ざしています。

シヌイ(Sinui)

アイヌの入れ墨(タトゥー)は「シヌイ」と呼ばれ、女性が施します。この習慣は、女の子が7、8歳になる頃から少しずつ初め、10代後半に完成します。これは女性が成人した証とされ、結婚適齢期になったということです。

Ruby
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口の周りの入れ墨は常に笑っているかのように見えます。

デザインと位置

シヌイのデザインは、口の周りから始まり、唇が完成すると、手や腕に広がっていきます。眉の間に施す場合もありました。

ただし、入れ墨を増やすのは未婚女性だけで結婚後はやめます。

男性も肩や手など、部族ごとに異なる入れ墨を入れていました。

これらの模様は、アイヌの神話や自然界、動物を象徴しています。部族ごとに模様が異なります。

信仰と象徴

アイヌの入れ墨は、神々への敬意や、死後の世界での安全を求める信仰に基づいています。また、入れ墨を持つことで、悪霊から身を守るともされています。

現代との関係

この習慣は、1871年に日本政府から禁じられましたが、近年、アイヌ文化の保存と再評価が進んでいる中で、入れ墨の習慣も見直されつつあります。

しかし、日本国内での入れ墨に対する複雑な感情も存在するため、この美しい伝統がどのように受け継がれるかは今後の課題です。

アイヌの入れ墨は、その美しさと深い意味を持つ文化的象徴です。この伝統を通じて、アイヌ人が大切にしている信仰や価値観、そして自然との共生を感じることができます。

Ruby
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現在でも、アイヌの女性の間では、お祭りのときのフェイスペインティングという形で伝統が守られ続けています。

 

アイヌ文化の多様性と共存の美

アイヌ文化

この記事を通じて、アイヌ文化の多様性と美について少しでも感じていただけたでしょうか。

耳たぶの形状から始まり、伝統的なアクセサリーや服装、入れ墨まで、アイヌ文化はその独自性と深い歴史感で私たちに多くのことを教えてくれます。

特に、現代で少しずつ薄れつつあるアイヌの特徴を知ることは、文化の保存と理解につながります。

興味を持った方は、ぜひ実際にアイヌ文化に触れてみてください。それが、文化の継承と共存に繋がる第一歩です。