1917年創業の老舗、「正田醤油」は、美智子上皇后さまのご実家と深いつながりのある企業です。
美智子さまといえば、日清製粉を思い浮かべる方が多いようですが、正田醤油もまた美智子さまのご親戚が経営されている企業です。
具体的にいえば、美智子さまのお祖母さまの弟のお孫さんにあたる正田隆さんが代表取締役社長を務めてらっしゃいます。
今回は、正田醤油と美智子さまのご実家との関係、そしてその歴史的背景に迫ります。
正田醤油の歴史と美智子さまの家系
| 源野義重（新田義重） | 建仁2年（1202年）没 | 正田家の祖先とされる生田隼人の主君 |
| 生田隼人 | 正田家の祖先とされる人物で、新田義重の家臣。 | |
| 庄田六三郎 | 天和2年（1682年頃）没 | 正田家の始祖。 |
| 一代正田文右衛門 | 庄田六三郎から四代目。庄田を正田に改める。 | |
| 二代正田文右衛門 | 一代文右衛門の後を継ぐ | |
| 三代正田文右衛門（藤十郎） | 1818～1895 | 隠居後の名は文七。正田家「中興の祖」。米穀業「米文」を廃業し醤油醸造業「亀甲正」を始める。「亀甲萬」の茂木一族の一人、二代茂木房五郎から指導を受ける。 |
| 四代正田文右衛門（兼太郎） | 三代文右衛門の長男 | |
| 正田作次郎 | 1846～1871 | 三代文右衛門の次男 |
| 正田貞一郎 | 1870～1961 | 作次郎の長男。上皇后美智子の祖父、日清製粉の創業者。 |
| 五代正田文右衛門（唯一郎） | 1858～1941 | 四代文右衛門の長男。群馬県邑楽郡館林町長ほか。 |
| 六代正田文右衛門（敏一郎） | 1890～1973 | 五代文右衛門の長男。正田きぬの弟。日本醤油協会会長ほか。 |
| 正田きぬ | 1880～ 1970 | 五代文右衛門の長女。正田貞一郎の妻。夫の貞一郎の父（作次郎）はきぬの祖父（四代目）の弟。絹の父は夫の従兄。上皇后美智子の祖母。 |
| 正田卓治 | 1899～？ | 五代文右衛門の次男。きぬの弟。日清製粉の系列会社オリエンタル酵母工業の元会長。 |
| 正田英三郎 | 1903～1999 | きぬと貞一郎の三男。上皇后美智子の父。日清製粉グループ本社の社長や会長を歴任。 |
| 正田富美子 | 1909～1988 | 英三郎の妻。上皇后美智子の母。 |
| 上皇后美智子 | 1934～ | 英三郎と富美子の長女。 |
| 正田宏二 | 1929～1922 | 卓治の二男。正田醤油の社長や相談役を歴任。 |
| 正田隆 | 1959～ | 宏二の長男。正田醤油の現在の社長。全国醤油工業協同組合連合会(全醤工連)の会長。 |
美智子さまのプロフィール
美智子さま（旧名：正田美智子、1934年10月20日生まれ）は、上皇后であり、明仁上皇のお妃さまです。
東京都出身で、聖心女子大学文学部を卒業されています。
美智子さまは、1959年4月10日に当時の皇太子明仁親王（後の明仁上皇）とご成婚され、皇太子妃となりました。
当時は、皇室と民間人との間のご成婚は初めてのことであり、国内外から大きな注目を集めました。
美智子さまは、皇太子妃時代から、様々な公務に積極的に取り組まれ、特に教育や福祉、文化交流に関する活動に熱心に携わられてきました。
また、国際的な場面でも日本の皇室を代表し、多くの国々との友好関係の構築に貢献されています。
1989年1月7日、昭和天皇の崩御に伴い、明仁親王が天皇に即位されたことで、美智子さまは皇后となり、2019年(平成31年)4月30日、明仁上皇の退位により、美智子さまは上皇后となりました。
美智子さまは、その温かな人柄と、国民への深い思いやり、そして皇室の伝統を守りつつも新しい時代に合わせた皇室のあり方を模索する姿勢で、多くの国民から愛されています。
上皇后としても、引き続き公的な活動を行うことが期待されていますが、現在は公務の量を調整しながら、穏やかな退位後の生活を送られています。
正田醤油の創業と発展
正田醤油の歴史は、約300年前まで遡ることができます。
正田家の始祖である庄田六三郎氏が上州館林(現:群馬県館林市)にて米問屋「米文」を営んでいたことに始まります。
江戸時代を通じて、正田家は豪商としてその名を馳せ、多くの人々に知られる存在となっていました。
1873(明治6)年、三代正田文右衛門(幼名藤十郎、隠居後更は文七)が家業の転換を決断します。
それまでの米問屋から一転、醤油醸造業へと事業を転換したのです。
「亀甲正」という商号で醤油醸造を始めた三代文右衛門は、野田（現在の千葉県）の「亀甲萬」（現在のキッコーマン）から醤油の製造方法について学びました。
これが、今日に続く正田醤油株式会社の始まりでした。
柴沼醤油の商号も「キッコーショウ」（亀甲正）ですが、両者に直接的な関係はないようです。
醤油醸造業者でメジャーな亀甲
ちなみに醤油の醸造業者によくある「亀甲(キッコー)某」という商号を、最初に使用したのは1668年創業の柴沼醤油だとされています。
柴沼醤油は土浦藩(茨城)のお抱えだったため、亀甲紋は、亀城(きじょう)とも呼ばれる土浦城に由来します。
その後、良質な醤油の代表である柴沼醤油と同じ亀甲紋を使う醤油業者が増え、亀甲の六角形は醤油のシンボルとなりました。
キッコーマン(亀甲萬)の場合は、下総国(現在の千葉県北部と茨城県南西部)で一番格式の高い一ノ宮、香取神宮に因んでいるそうです。
香取神宮は、亀甲山（かめがせやま）に
鎮座し、三盛亀甲紋松鶴鏡(みつもりきっこうもんまつつるきょう)という宝物を所有しているそうです。
さらに、昔から「鶴は千年、亀は萬年」とされることに由来しているとのこと。
いろいろな説があるようですね。
美智子さまのご実家と正田醤油
美智子さまのご実家である正田家は、正田醤油の創業家としても知られています。
美智子さまの祖父、正田貞一郎氏は、家業の醤油醸造を経て、さらに事業の幅を広げ、館林製粉株式会社を設立しました。これが後に日清製粉グループの前身となります。
貞一郎氏はその後も貴族院議員や東武鉄道の会長など、多方面で活躍しました。
美智子さまのご実家は、このように日本の近代化に貢献した家系であり、正田醤油とともに、日本の産業発展に大きく貢献してきました。
美智子さま自身も、このような家庭環境の中で育ち、その後、皇室に入られることとなりました。
美智子さまの父、正田英三郎氏は、日清製粉の社長を務め、日本の食文化の発展に寄与しました。
英三郎氏は、美智子さまが皇室に入る際に、「これからは陛下と殿下の御心に添って生きるように」という言葉を伝えています。
これは、美智子さまが皇室の一員として、日本国民とともに歩んでいくことへの期待の表れであったと言えるでしょう。
正田醤油と日清製粉、正田醤油とキッコーマンの関係は？
正田醤油と日清製粉の関係は、美智子さまのご実家である正田家とのつながりに起因します。
美智子さまの父、正田英三郎氏は日清製粉の社長を務めていました。
正田英三郎氏は、正田醤油の創業家である正田家の一員であり、そのため、正田醤油と日清製粉は家族の歴史を通じて間接的な関連を持っています。
具体的には、正田醤油は群馬県館林市に本社を置く醤油製造会社であり、正田家が創業した企業です。
一方、日清製粉は、美智子さまの祖父である正田貞一郎氏によって設立された館林製粉が前身であり、現在は日本を代表する製粉会社の一つとして知られています。
正田貞一郎氏は、正田醤油の事業を引き継いだ後、製粉業に進出し、日清製粉グループの基礎を築きました。
また、正田醤油は群馬県に本社を置く老舗醤油メーカーであり、キッコーマンは千葉県野田市に本社を置く、世界的にも知られる醤油および調味料メーカーです。
歴史的なエピソードとして、正田醤油の創業者が醤油醸造業に転業する際に、（千葉県）の「亀甲萬」（現在のキッコーマン）の関係者から醤油の製造方法についてアドバイスを受けたという話があります。
正田醤油関係者の相関図
三代正田文右衛門
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├─ (略)
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├ きぬさん（美智子さまの祖母）
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│ ├─ 英三郎氏（美智子さまの父）
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│ │ ├─ 美智子さま
│ │ ├─ 巌氏（美智子さまの兄）
│ │ ├─ 恵美子さん（美智子さまの妹）
│ │ └─ 修氏（美智子さまの弟）
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│ └─ 卓治氏（オリエンタル酵母の元会長、美智子さまの祖母の弟）
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│ └─ 宏二氏（元正田醤油社長、美智子さまの祖母の弟の次男）
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│ └─ 隆氏（正田醤油の現代表取締役社長、美智子さまの祖母の弟の孫）
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└─ (その他の家族メンバー)
正田醤油を支える家族の歴史
繰り返しになりますが、正田家の歴史は、約300年前に上州館林に住んでいた庄田六三郎氏に遡ります。
その後、家名を庄田から正田に改めました。
江戸時代を通じて、正田家は「米文」という屋号で米問屋として名を馳せ、江戸や大阪にその名が知られる豪商となりました。
しかし、明治時代に入ると、三代正田文右衛門が家業を醤油醸造業に転換。これが後の正田醤油株式会社の始まりです。
正田醤油の基本情報
正田醤油株式会社は、1873年（明治6年）に群馬県館林市栄町で創業した醤油の老舗メーカー。
三代正田文右衛門が米穀商の投機性を避け、醤油醸造業への転換を決意し、千葉県の二代茂木房五郎から醤油醸造に関する経営指導を受けたことが始まりです。
上皇后美智子さまの実家の本家にあたるこの会社は、2010年に正田食品株式会社と正田フーズを統合しました。
事業内容は醤油醸造とスープ類の製造販売で、「おいしいがうれしい。」をキャッチコピーに掲げています。
本社は群馬県館林市にあり、仙台、東京、名古屋、大阪に営業拠点を持ち、館林工場と館林東工場で製造を行っています。
1917年に法人化され、現在の代表取締役社長は正田隆氏で、資本金は1億円、従業員数は373名です。
正田醤油と美智子さまの関係にまつわるＱ＆A
Q1: 正田醤油と美智子さまの関係はどのようなものですか？
A1: 美智子さまは、正田醤油を創業した正田家の出身です。
美智子さまの父、正田英三郎氏は日清製粉の社長を務め、正田家は正田醤油の経営にも深く関わっています。
このため、美智子さまと正田醤油との間には、家族の歴史を通じた深いつながりがあります。
Q2: 美智子さまが正田醤油に与えた影響にはどのようなものがありますか？
A2: 美智子さまが皇室に入られたことで、正田醤油および正田家に対する国民の関心が高まりました。
美智子さまの人柄や公務への取り組みが高く評価される中で、正田醤油もまた、その品質と伝統に対する注目が集まるようになりました。
美智子さまの皇室での立場が、正田醤油のブランドイメージを高める一因となっています。
正田醤油と美智子さまの関係（まとめ）
正田醤油と美智子さまのご実家との間には、単なる企業と皇室の関係を超えた、深い歴史的絆が存在します。
この記事を通じて、正田醤油の製品一つ一つに込められた、皇室への敬意と伝統への尊重が感じ取れたでしょうか。
