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「おっしゃっていた」「おっしゃっていただく」は正しい敬語?「話す」「言う」関連の敬語の疑問を一挙解決!

「おっしゃっていた」「おっしゃっていただく」は正しい?

「おっしゃっていた」や「おっしゃっていただく」という言葉、これらは正しい敬語なのでしょうか。

多くの人が日常的に使う「おっしゃる」のバリエーション、しかし実はその使い方には自信がないという方も少なくありません。

この記事では、「おっしゃっていた」「おっしゃっていただく」をはじめとする「おっしゃる」にから派生する敬語について、詳しく解説します。

尊敬語と謙譲語の違い、それぞれの正確な使い方、そしてよくある誤用例まで、幅広く取り上げています。

敬語は日本語の美しさを表現する重要な要素ですが、間違った使い方をしてしまうと、逆に失礼に当たることもありますよね。

だからこそ、正確な知識を身につけ、マナーを守ることが大切です。

この記事を読めば、「おっしゃっていた」「おっしゃっていただく」を正しく、自信を持って使えるようになるでしょう。

Ruby
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この記事の後半では「話す」関連の敬語の疑問を一挙に解決していきます!

「おっしゃっていた」「おっしゃっていただく」は正しい敬語

「おっしゃっていた」=言っていた(話していた)の尊敬語/「おっしゃっていただく」=言ってもらう(話してもらう)の尊敬語

「おっしゃっていた」と「おっしゃっていただく」は、どちらも相手に対する敬意を示すために使う「正しい尊敬語」です。

「おっしゃっていただく」は一見、二重敬語にも見えますが、「おっしゃる(相手への尊敬語)」+「いただく(自分がへりくだる謙譲語)」になるので、尊敬語を二つ重ねる二重敬語にはなりません。

ちなみに「おっしゃられる」は尊敬語が二つ重なっているので二重敬語となり、不適切な表現です。

おっしゃっていた おっしゃっていただく
敬語をはずす 言っていた(言ってた)/話していた(話してた) 言ってもらう/話してもらう
漢字 仰っていた 仰っていただく
  1. おっしゃっていた: ある時点までに何かを言っていた(話していた)という過去の継続的な行為を表します。(例:社長は昨日の会議で新プロジェクトについておっしゃっていた。)
  2. おっしゃっていただく: 何かを言ってもらう(話してもらう)という意味で、敬意を表しています。(例:今度のミーティングで、専門家に市場の動向についておっしゃっていただく予定です。)

「言う」と「話す」の違い

  • 言う(いう)の尊敬語: 「おっしゃる」
  • 話す(はなす)の尊敬語: 一般的には「おっしゃる」が用いられますが、特定の文脈で「お話になる」という表現も見られます。

「おっしゃる」は非常に汎用性の高い尊敬語であり、「言う」も「話す」もこの尊敬語でカバーすることが一般的です。ただし、「お話になる」は特に「話す」行為に焦点を当てたい場合や、より公式な場面で使われることがあります。

したがって、どちらの動詞に対しても「おっしゃる」が一般的な尊敬語として使われます。

お話になる おっしゃる
用途 一般的には「話す」行為そのものを尊敬語で表現する場合に使います。 「言う」または「話す」行為を尊敬語で表現する場合に使います。
硬さ この表現は少々硬いと感じられる場合があります。 一般的な尊敬語として広く使われています。
文脈 より公式な場や、特に「話す」行為に焦点を当てたい場合に使われることが多いです。 どんな場でも使える汎用性の高い尊敬語です。
Ruby
Ruby
「話される」と「おっしゃる」の二つは、微妙なニュアンスの違いを感じる方もいるかもしれませんが、とくに意識しない方の方が多いと思われます。

「おっしゃる」のバリエーション

「おっしゃる」は「話す」「言う」の尊敬語として用いられます。

正しい例

表現 説明 例文
おっしゃる 基本形 先生が何かおっしゃる。
おっしゃいます 現在・未来形(です・ます調) 先生が明日何かおっしゃいます。
おっしゃった 過去形 先生が重要なことをおっしゃった。
おっしゃいました 過去形(です・ます調) 先生が重要なことをおっしゃいました。
おっしゃっている 現在進行形 先生が今、何かおっしゃっている。
おっしゃっていた 過去進行形 先生が昨日、何かおっしゃっていた。
おっしゃらない 否定形 先生が何もおっしゃらない。
おっしゃらなかった 過去の否定形 先生が昨日、何もおっしゃらなかった。
おっしゃっていただく 受け身・使役形(他の人に話してもらう) 先生に詳しくおっしゃっていただく。
おっしゃるでしょう 推量形(未来や推測) 先生が明日、何かおっしゃるでしょう。

先生が何かを言ったという状況で尊敬を表したい場合は、「先生がおっしゃったように」といった表現が適切です。

間違った例(二重敬語)

表現 説明
おっしゃられる 「おっしゃる」自体が「話す」の尊敬語です。その上で「られる」を付けると、尊敬の意味が二重になります。
おっしゃっておられる こちらも「おっしゃる」が尊敬語であり、さらに「おられる」も尊敬語です。したがって、二重敬語になります。
おっしゃられます 「おっしゃる」に「られる」を付けているため、尊敬の意味が二重になります。
おっしゃっていらっしゃる 「おっしゃる」が尊敬語で、さらに「いらっしゃる」も尊敬語です。このように、二つの尊敬語が組み合わさっているため、二重敬語になります。

以上のように、これらの表現はすべて「おっしゃる」(尊敬語)にさらに尊敬の意味の言葉を加える形になっているため、二重敬語とされます。二重敬語は日本語の敬語のルール上、避けるべきです。

「申す」は自分や自分の身内が「何かを話す」場合に用いる謙譲語

「申す」も「話す」という意味ですが、こちらは、自分や自分の身内が何かを話す場合に用います。

矢野係長
矢野係長
先生や取引先の社長さんに対して使うのは失礼に当たります。

正しい「申す」のバリエーション

表現 説明 例文
申します 現在・未来形(です・ます調) 私は山田と申します。
申しました 過去形(です・ます調) 母がそう申しました。
申しません 否定形(です・ます調) 私は何も申しません。
申し上げます 尊敬語の現在・未来形(です・ます調) 私の電話番号を申し上げます。
申し上げました 尊敬語の過去形(です・ます調) 昨日申し上げましたが

間違った「申す」の使い方

自分や身内以外の人に対して使う

「申す」は謙譲語であり、自分や自分の身内(社外の人に対して自分の会社、家庭など)に関する行為を表すときに使います。他人に対して使うのは不適切です。

  • 不適切な例: 先生が何か申します。
  • 適切な例: 先生が何かおっしゃいます。

カジュアルな場面での使用

「申す」は比較的硬い表現であり、カジュアルな場面では、相手に違和感や滑稽さを与える可能性があります。

  • 不適切な例: 新しいクラスメートに対して「僕は田中と申します」
  • 適切な例: 新しいクラスメートに対して「僕は田中だよ」

明らかに自明な事柄に使う

すでに相手が知っているような事柄に対して使うと違和感があります。

  • 不適切な例: (会社の同僚に)「私はこのプロジェクトのリーダーと申します」
  • 適切な例: (会社の同僚に)「私はこのプロジェクトのリーダーです」

以上のように、「申す」の使い方には注意が必要です。文脈や相手、場面に応じて適切な敬語を選ぶことが大切です。

「申す」は基本的に自分や自分の身内が話す、言うという行為に対して使う謙譲語です。ですから、「私(妹)が先ほど申しましたように」「(取引先の社長さんに向かって)先日、弊社の社長が申し上げましたように・・・」といった形で使用されます。

「話す(はなす)」と「語る(かたる)」の使い分け

話すと語る

「話す」(はなす)と「語る」(かたる)は、いずれも何かを言うという意味で使われる日本語の動詞ですが、使い方やニュアンスに違いがあります。

「おっしゃる」は「話す」の尊敬語として使われます。一方で、「語る」の尊敬語としては「おっしゃる」は適切ではありません。

「話す(はなす)」

  1. 一般性: 「話す」は一般的な会話や説明、指示など、広い範囲で使われる動詞です。
  2. 対象: 誰とでも「話す」ことができます。友達、家族、同僚など、対象は限定されません。
  3. 内容: 特定のテーマや深い内容に限らず、日常的な話題でも使われます。

「語る(かたる)」

  1. 専門性・深み: 「語る」は、何か特定のテーマや話題について深く、詳しく話す場合に使われます。
  2. 対象: 聞き手が特定の興味や知識を持っていることが多く、一般的な会話よりも専門的な内容が多いです。
  3. 内容: 物語、歴史、専門的な知識など、深い内容を扱う場合に使われます。

用例

  • 話す: 友達と昨日のテレビ番組について話す
  • 語る: 専門家がその研究の成果について語る

「おっしゃっていた」「おっしゃっていただく」は正しいけど、二重敬語などNG例もある!

この記事を通じて、「おっしゃっていた」や関連する敬語、謙譲語についての理解が深まったことでしょう。

正確な言葉遣いは、相手に対する敬意を示すだけでなく、自分自身も成長させる大切なスキルです。

特にビジネスシーンでは、敬語の使い方一つで印象が大きく変わることもあります。日本語の美しさを知り、それを日常生活や仕事で活かすことで、より円滑な人間関係を築くことができます。

この記事が、言葉遣いに自信を持つ一歩となれば幸いです。